卒業式「学長のことば」(名古屋音楽大学平成23年度卒業証書・学位記授与式/2012年3月19日)
「音楽学部卒業、並びに大学院修了おめでとうございます。
卒業生、修了生の保護者の皆さま。本日はまことにおめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。来賓の皆さま。本日はご多用の中、ご臨席たまわりまことにありがとうございます。
卒業生ならびに修了生の皆さん、本日の卒業式にあたり、ご家族をはじめ、お世話になった多くの方々に対して心からの感謝の念を新たにしていただきたいと思います。
音楽学部卒業生の皆さんは、音楽学部の全ての課程を終了いたしました。本学の学部卒業生には音楽学士の学位が与えられます。学士という学位によって、皆さんが社会で通用する基礎的な力を身につけたということを名古屋音楽大学として認定いたしました。
皆さんは音楽大学を卒業しました。音楽の学士ということの意味は、社会人としての基礎的な力を身につけたという証であるだけでなく、みなさんが音楽の専門課程を修了したということの証でもあります。すなわち、音楽の専門家を養成するための高等教育課程を修了したことを意味します。大学院を修了し音楽修士の学位を取得した皆さんは、さらにより高度な音楽の専門家としての認定を受けたことを意味します。
みなさんは音楽の専門家として社会に出て行きます。音楽を職業とするか否かにかかわらず、皆さんは名古屋音楽大学の学士課程もしくは修士課程を修了した音楽の専門人です。これから社会の中で、音楽の専門人、音楽の専門的能力をもつ職業人としての役割が期待されるはずです。
さて、思い返せば、皆さんはこの場所で入学式を迎え、そして、数年間にわたりこの名古屋音楽大学で、音楽を中心とした研鑽の日々を過ごしました。そして今日、晴れて卒業式を迎えました。
あらためて、入学した時の自分を思い起こしてみてください。
目を閉じて、名古屋音楽大学で過ごした日々を思い出してみて下さい。
そして、今の自分を感じてみてください。
間違いなくここ名音大のキャンパスで育てられた自分、この数年間で確かに成長した自分をしっかりと実感できることと思います。
名古屋音楽大学は「育てる大学」です。音楽を志す学生たち一人ひとりがそれぞれの個性に応じて、しっかりとたくましく育っていけるよう、精一杯のサポートをすることが名古屋音楽大学の使命です。
私は、名音大の強みとして5つあげています。
第一に、ハーモニーの力、調和する力。第二に、アンサンブルする力、共感する力です。
名古屋音楽大学は、親鸞聖人の同朋和敬の精神を建学の理念としています。私はこの建学の精神を、「響きあう身体、響きあう心、響きあう命」をもった人間の育成と表現しています。一人ひとりを尊重しあい、一人ひとりを生かしあう「からだ」と「こころ」を兼ね備えた「いのち」を生きること。そうした人間を育てることが名古屋音楽大学の目的の一つです。
みなさんは、共に音楽する仲間たちとともに、音楽という営みを通して、調和する力と共感する力の大切さを学んだと思います。そして、調和する力、共感する力をしっかりと身につけたと思います。
名音大の強みの第三は、日々練習し鍛錬し、学習する力。学習意欲です。強みの第四は、達成する意欲、達成する歓びを感じる力。達成欲です。そして第五は、前向きに努力する心。ポジティブ志向です。
人間ですからもちろん落ち込むこともあります。壁にぶつかることもあります。しかし、皆さんは達成する歓びを知っています。音楽という共通の専門をもつ皆さんは、音楽を通して、そして仲間たちとの調和と共感を通じて、達成する歓びを知っています。
達成欲があるから、ポジティブに、学習意欲をもって、日々練習し、厳しい鍛錬に向き合い、つねに前向きに努力することができます。それが名音大の学生の強みです。
自分の強みを最大限に生かすことで、社会の弱みを補い、他者の欠点を補う。そうすることで人間の社会はよりよいものとなります。皆が強みを活かしあうことで、お互いの欠点を補填しあい、弱みをカバーしあうことができます。それこそがよりよい人間の文化を形成し、よりよい社会を形成します。
卒業生の皆さん、自分の個性の強みを発見し、人のために活かしてほしいと思います。人は孤立して生きることはできません。皆さんが名音大で身につけた強みを、他者、そして社会と向き合っていく力として生かしてほしいと思います。音楽の専門人として、さまざまな領域において他者と社会の期待に応え、音楽文化の創造と地域社会の形成に貢献してほしいと思います。めいおんで学んだハーモニーの心とアンサンブルの大切さを心に刻み、これからも日々鍛錬し、達成する歓びを糧にしながら、前向きにポジティブに明るく元気に堂々と生きてください。響きあう心と命を大切に、強く、そしてしなやかに生きてください。
めいおんの学生は明るくて元気です。私は、いつもみなさんの明るさと元気な笑顔に励まされてきました。そして、みなさんが日々育ち、そして年々成長していく姿を見ることで、前向きに努力する心と、どんな状況にもポジティブに立ち向かう活力とエネルギーをもらってきました。心より感謝します。
卒業生の皆さん。これからはめいおん卒業生として、めいおん同窓生としての自信と誇りをもって、ますます大きく育っていってほしいと思います。
みなさんがこれからますます大きく育つことは、皆さんの母校である名古屋音楽大学が大きく育つ力にもなります。私たち教職員一同、皆さんの母校である名音大を強くたくましくそして大きく育てるために、絶えず学習意欲をもってポジティブに努力し続けます。名古屋音楽大学は育つ大学です。皆さんが名音大の卒業生であることをつねに自信と誇りをもって語れるよう、ますます素晴らしい母校に育てることを誓います。
名古屋音楽大学のキャンパスで立派に育ったみなさんを、本日こうしてめいおん卒業生として世に送り出せることを、学長として心の底から誇りに思います。これからもどうぞ立派に生きてください。
音楽学部卒業ならびに大学院修了、本当におめでとう。」
11時30分、卒業証書・学位記授与式は滞りなく終了。
卒業式終了後、写真撮影。少し風が強かったが、楽しい雰囲気の中、たくさんの写真が撮られていた。
集合写真の撮影終了。
在学生の実行委員による手作りの素敵なパーティーが準備されました。
学長挨拶、学部長による乾杯の後、パーティ開始。
めいおんサクソフォンカルテット。
めいおん打楽器アンサンブル。
最後は素敵なピアノとドラムのジャズセッション。
楽しいときはあっという間に過ぎ行く。
卒業生の皆さん、卒業おめでとうございました。
実行委員の皆さん、お疲れ様でした。有難うございました。