裏表紙には「著者から読者へ」として、次の文が寄せられている。
戦争は始めるより終わらせる方が難しい。ヴェルサイユの講和が未解決のまま残した賠償問題に端を発する独仏両国の衝突(ルール占領)は形を変えた戦争の継続であり、ロカルノ条約はこれを終結させた「第二の講和条約」であった。本書はシュトレーゼマン、ブリアンの独仏外相を中心にロカルノ条約の成立から崩壊にいたる過程を描く。最初の世界大戦の戦後処理をめぐる二人の歩みは、平和の構築が「和解」や「宥和」などの言葉では尽くせない厳しい営みであることを示している。
また、本の帯にはこう書いてある。
ナチズム前夜。そこには再度の世界大戦へ向かう道とは別の可能性が確かにあった……。
本書は、先に出版された『ヴェルサイユ条約』の続編である。
ヴェルサイユ条約とロカルノ条約という二つの講和をもってしても、歴史は結果として第二次大戦に向かうことになった。
しかしながら著者によれば、「ロカルノ体制はヨーロッパの国際秩序の枠組みとして-比較的短い期間ではあれ-機能している。」
「その歴史的意味を考察することは、二度目の世界大戦の後のヨーロッパの歩みと、戦後の世界における「国際協調」の意味を考える上で重要な示唆を与えてくれるであろう。」
そう著者は述べる。
静かな土曜日を終日、自宅にて過ごす。